「妊娠したかも…。でも産みたくない。」という心境はとても悲しくて辛いですよね。
あなたは、誰にも相談できず、将来についての不安や、今何をすればよいのかという、焦りを感じているかも知れません。
でも、心配しないで下さい。
このページでは、そんなあなたの気持ちに寄り添い、今のあなたに必要な情報を、分かりやすくまとめました。
※ この記事は一般的な情報であり、医療的なアドバイスではありません。 必ず医師にご相談ください。
1. まずは落ち着いて
深呼吸して、現状を把握しよう
感情が高ぶっている時は、冷静な判断が出来ないものです。まずは、ゆっくり深呼吸をして、気持ちを落ち着かせましょう。
こんな時こそ、自分をいたわることが大切です。好きなものを食べたり、好きな音楽を聴いて、リラックスしましょう。
今の状況を受け止めて、これからどうしたいのかを前向きに考えてみましょうね。
誰かに相談してみよう
気持ちが落ち着いたら、周囲の信頼できる人に相談してみましょう。
恋人や夫、親、兄弟、友達、信頼できる先生に、心の不安を打ち明けてみましょう。
話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなることがあります。
2. アフターピルについて
性交渉後3日以内なら、アフターピルを服用して、妊娠を防ぐことが出来るかも知れません。
アフターピルの仕組み
アフターピル(緊急避妊薬)は、性交渉の後、一定時間内に服用することで、妊娠を阻止する効果が期待できるお薬です。
妊娠の仕組み | アフターピルの仕組み | |
① 排卵 | 排卵の抑制 | 排卵遅らせたり、抑えたりすることで、精子と卵子が出会うのを防ぎます。 |
② 受精 | 受精の阻害 | 精子の数を減らしたり、動きを阻害して、精子と卵子が受精するのを防ぎます。 |
③ 受精卵の着床 | 着床の阻害 | 受精した場合でも、子宮内膜を薄くして、受精卵が着床しにくくします。 |
アフターピルの注意点
アフターピルには、高い避妊効果がありますが、100%妊娠を防止できるわけではありません。時間が経過するごとに、その避妊効果は下がるという特徴があります。
アフターピルで避妊を成功させるには、性交渉後できるだけ早く服用する必要があります。
アフターピルの入手方法
アフターピルは、産婦人科やレディースクリニックなどの病院で処方してもらえます。(内科、美容皮膚科などでもアフターピルを処方していることがあります。)
近くにクリニックが無い場合は、オンライン診療でアフターピルを処方してもらえます。
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3. 妊娠検査薬で確認
妊娠しているかどうか、自分で検査できるのが「妊娠検査薬」です。
妊娠検査薬の選び方
妊娠検査薬には、「早期妊娠検査薬」と「一般妊娠検査薬」の2種類があります。
どちらの妊娠検査薬も、正しく使えば、正確な検査結果が期待できます。
- 早く結果を知りたい方は、早期妊娠検査薬がおすすめです。
- 価格を抑えたい方は、一般妊娠検査薬がおすすめです。
- より正確な結果を求める方は、生理予定日1週間後に、一般妊娠検査薬で調べるのがおすすめです。
早期妊娠検査薬 | 一般妊娠検査薬 | |
売っている場所 | 「医療用体外診断用医薬品」に分類されており、薬剤師のいる薬局でしか購入できません。 | 「第二類医薬品」に分類されており、ドラッグストアや薬局、コンビニ、ネット通販などで購入することが可能です。 |
検査可能な時期 | 生理予定日の当日から | 生理予定日のおおむね1週間後から |
価 格 | 高い傾向がある | 比較的安い傾向がある |
妊娠検査薬の正しい使い方
妊娠検査薬を購入したら、説明書を良く読み、説明書の指示通りに行います。
尿をかける時間や、判定までに何分かかるか等は、製品により違うので、前もって取扱説明書を良く読んでから始めましょう。
①妊娠検査薬に尿をかける | 指定の部分に尿をかけます。 |
②結果が出るまで水平にして待つ | 尿をかけた後の妊娠検査薬を、水平に置きます。
斜めや縦に置くと正しい検査結果が出ないこともあるので注意が必要です。 |
妊娠検査薬の見方
一般的に「判定部分と終了部分の両方に線が出る」と陽性(妊娠の可能性が高い)という判断になります。
「判定部分に線が表示されず、終了部分に線が表示されている」場合は、陰性(妊娠していない可能性が高い)です。
製品によっては、判定の表示方法に違いがある可能性があるため、妊娠検査薬を購入したら、まず取扱説明書で確認しましょう。
4. 産婦人科を受診する
妊娠検査薬で陽性判定が出たら、なるべく早く産婦人科を受診しましょう。
生理予定日から1週間後は、妊娠5週目に該当します。
予約方法や注意点
産婦人科を受診する際には、前もって予約をする方が良いでしょう。電話やインターネットから予約できます。
産婦人科によっては、予約を受け付けていない(受付先着順)のところもあります。予約が出来ない病院だと、待ち時間が長くなる可能性があります。
初めての病院の場合は、先に電話で問い合わせた方が良いかも知れません。
産婦人科やレディースクリニックには、中絶を行っている病院と行っていない病院があります。
持っていくもの
産婦人科によっては、来院当日の中絶手術が可能なところがあります。その場合、パートナーの同意書が必要となります。
中絶手術を行っている病院は、クレジットカードや電子決済などに対応しているケースが多いですが、前もって、支払い方法は確認した方が良いでしょう。
持ち物 | 保険証、身分証明書、お金、妊娠検査薬の結果など。 |
(中絶の場合)
※ 性犯罪による妊娠の場合、必ずしも同意書が必要とは限らないので、病院に要確認。 |
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聞きたいこと | 聞きたい事や、体の症状、不安などをメモしておくと当日の診察がスムーズです。 |
服装 | スカートなど、診察しやすい服装 |
診察で何を聞かれる?
一般的に病院で聞かれることを一覧にしました。他にも、避妊方法や性交頻度など、デリケートな質問をされることがあります。
受診した目的 | どんなことで悩んでいるか、いつから症状があるのか、どんな治療を希望しているのか |
生理のこと | 最終月経日、生理周期、月経量、生理痛の有無、生理不順の有無 |
妊娠・出産のこと | 妊娠経験、出産経験、中絶経験、流産経験の有無 |
性のこと | 性交渉の有無、性交時の痛み、性感染症について |
婦人科のこと | おりものの症状、デリケートゾーンの痒みや痛み、不正出血など |
健康状態 | 既往歴(病歴や手術歴)や内服薬の有無、アレルギーの有無、家族の病歴など |
生活習慣 | 喫煙の有無、飲酒の有無、ストレス、睡眠、食生活、運動習慣など |
5. さまざまな選択肢を知る
中絶手術について
中絶は女性にとって、感情を大きくゆさぶられる、ストレスの大きい決断です。一人で悩まないで、信頼できる人や医師に相談し、慎重に判断してください。
日本では、母体保護法により、中絶が出来るのは、妊娠22週未満までと法律で定められています。
妊娠周期は、自分が思っているよりも、進んでいる場合があるので、早めの受診が大切です。
生理予定日から1週間後 | 妊娠検査薬で陽性反応が出たら、出来るだけ早く病院を受診しましょう。 |
初期中絶 | 妊娠12週未満で行われる中絶。麻酔をして10分程度で終わる無痛中絶手術があります。 |
中期中絶 | 妊娠12週~21週6日で行われる中絶。母体への精神的・肉体的負担が大きく、入院加療が必要となります。 |
出産して里親に出す
里親制度は、児童相談所の委託を受けて、子供を育てたいと願う人たちが、自分の家庭に迎え入れて、子供を養育する制度です。
里親に出すことを希望する場合は、児童相談所に相談します。
里親に出すメリット
赤ちゃんが、経済的にも精神的にも、愛情をかけて育ててもらえる可能性が高いです。
里親に出すデメリット
実親でないことを知り、心が傷つき、愛着障害(親に愛されていないのではないかと不安行動に現れる)が子供に出ることがあります。
パートナーと話し合う
中絶や里子に出す決断は、人生の中での大きな決断です。後悔しない為に、あなたのパートナーと、慎重に話し合いを重ねて下さい。
6. 経済的な面について
中絶手術にかかる費用
中絶費用は自費診療で、保険が使えませんが、中絶を行っている病院は、クレジットカードの分割払いに対応しているところが多いです。
病院によっては、手術費以外は無料だったり、学割制度があるところもあります。
中期中絶は、入院費用も発生する為、金額が高くなります。
中絶手術以外の費用 | |
術前検査、診察料 | 病院によっては、手術費に含まれている場合があります。 |
麻酔代 | 静脈麻酔などの費用です。 |
頚管拡張 | 子宮頸管を広げたり、子宮頸管を柔らかくするホルモン剤の使用など |
術後検診 | 子宮内膜が正常に再生しているかなどを診る検診です。 |
術後処方薬 | 感染症の予防や、子宮の収縮を促す薬、痛み止めなど。 |
埋葬費 | 胎児を埋葬する費用です。 |
入院費 | 中期中絶の場合、必要となります。 |
下記の金額は、諸費用すべてを含んだ中絶費用の相場です。
一般的な中絶費用(総額)の相場 | |
初期中絶(妊娠12週未満) | 10万円~20万円程度 |
中期中絶(妊娠12週~21週6日) | 40万円~80万円以上 |
出産費用
出産で必要な費用は、大きく分けて、「妊婦健診」と「分娩・入院費」の2つあります。
「妊婦健診」は、妊娠8週ごろから出産まで計14回あり、1回あたり1,000円~5,000円ほどが相場となります。
「分娩・入院費」は、出産方法や、病院、お住いの都道府県により異なりますが、大体50万円前後かかります。
なお、健康保険から、出産一時金として、子供1人につき50万円が支給されます。
分娩費用 | 帝王切開は保険適用ですが、自然分娩や無痛分娩は自己負担です。 |
入院費用 | 入院期間中の食事代や、個室利用料なども含まれます。
母乳指導、新生児管理保育料なども発生する場合があります。 |
検査費用 | 妊婦健診や、入院時に行われる検査など。 |
薬剤費 | 分娩や入院中に使用する薬剤の費用です。 |
その他 | マタニティ用品やベビー用品 |
国の支援制度
妊娠や出産は、国や地方の自治体、健康保険などから、さまざまな助成金を受けることが出来ます。
妊婦検診費の助成 | 住民票のある自治体に、妊娠届を提出し申請します。
母子健康手帳と「妊婦健康診査受診票」が支給されます。 |
出産育児一時金 | 健康保険から支給されます。
妊娠4ヵ月(85日)以上で出産した場合、子ども1人につき50万円が国から支給されます。 |
出産手当金 | 社保に加入している被保険者に支給されます。国保は対象外です。
産前産後休業(産休)を取得して、給与の支払いを受けていない期間に支給される手当です。 支給額は、出産前の1年間の平均賃金に基づいて計算されます。 |
高額療養費制度 | 1ヵ月の医療費が自己負担限度額を超えたとき、その超過分が支給される制度です。
帝王切開(保険適用)で分娩した方が該当します。 |
医療費控除 | 1月から12月までの1年間に医療費が10万円を超えたとき、所得から控除されます。
※ 電車やバスなどの利用が困難だった場合 |
育児休業給付金 | 育児休業期間中に、健康保険から支給されます。
支給額は、出産前の1年間の平均賃金に基づいて計算されます。 |
その他 | お住いの地域の自治体に、独自の助成金がある場合があります。
勤務先の会社で、出産祝い金や育児支援金などを支給する場合があります。 |
費用に関する相談窓口
経済的な理由で、産むことをためらっている場合は、相談窓口を利用してみると良いかも知れません。
お住いの地域の自治体 | 市役所や区役所で、医療費助成制度や、自治体が行っている出産・子育て支援など、様々な経済支援策を教えてもらえます。 |
保健センター | 妊娠、出産、子育てに関する助成金の支給や、経済支援の相談にのってもらえます。 |
産婦人科、レディースクリニック |
|
弁護士会 | パートナーとの費用分担など、法律的な問題について話し合いたい場合など相談にのってもらえます。 |
7. 心理的なサポート
予期せぬ妊娠や中絶は、女性にとって精神的に大きな負担となります。
特に中絶を経験した女性の中には、胎児への罪悪感や、喪失感、後悔、自責の感情にとらわれ、うつ症状や情緒不安定になってしまう方もいるようです。
悩みを打ち明けられる場所
中絶手術を行っている産婦人科やレディースクリニックの一部では、性被害や、中絶で悩む女性の心のケアや悩み相談を受け付けしているところがあります。
そのような病院から、支援センターなどを紹介してもらえることもあります。
支援センターは、相談無料というところが多く、電話やメールで、全国から相談を受け付けてくれます。
性暴力や性犯罪の電話相談を、24時間365日受付しています。性犯罪の場合、アフターピル、性感染症検査、中絶などの費用を相談できます。
妊娠と中絶後の相談。予期せぬ妊娠で困っている方、過去の中絶で精神的に苦しんでいる方の相談にのってもらえます。
8. 将来について考える
あなたの将来のビジョン
あなたは将来どんな人生を歩みたいですか?
充実した幸せな人生を実現するには、未来に対して、あなたが今どのような働きかけをしているかが鍵となります。
9.避妊方法について考えよう
さまざまな避妊方法
望まない妊娠を避けるには、パートナー任せではなく、自分が主体となって避妊することが大切です。
女性が自分で出来る避妊方法でおすすめをいくつかご紹介します。産婦人科やレディースクリニックに来院して行います。
これらの方法は、避妊は可能ですが、性感染症を防ぐことはできません。性感染症予防には、コンドームの利用をおすすめします。
低用量ピル(経口避妊薬) | エストロゲンを低用量含みます。1日1回1錠を服用することで、避妊します。
低用量ピルは、ピル処方を行っている病院や、オンライン診療で購入することが出来ます。 避妊率は、99.8% |
ミレーナ(避妊リング) | 子宮内に装着するタイプの避妊具で、黄体ホルモンを持続的に放出することで、避妊します。
一度挿入すると、最長5年ほど避妊効果を発揮します。 避妊率は、99.8% |
避妊注射 | 3ケ月に1回注射することで避妊します。
国内未承認の為、取り扱っている病院の数は少ない。 避妊率は、99.7% |
避妊パッチ | 週に1回体にパッチを貼ることで、避妊します。
国内未承認の為、取り扱っている病院の数は少ない。 避妊率は、99%以上 |
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パートナーとの話し合い
パートナーと、避妊について話し合いましょう。お互いの意見を聞きあって、相手の意見を否定せず、共感する態度が大切です。
あなたの避妊に対する考えや、妊娠や中絶に対する不安などを、伝えてみて下さい。